読書感想文の課題が出たものの、そもそも一体何を書いたらいいのかサッパリ分からなくて困っていませんか?
そんな生徒さんに向けて、読書感想文のテンプレートとなる『読書感想文書き方シート』を用意しました!
穴埋めをして読書感想文をサクッと仕上げつつ、その書き方を身につけていきましょう。

ダウンロード:生徒さんと作った作成例付き

『読書感想文書き方シート』とは

『読書感想文書き方シート』とは

読書感想文=難しい?(3つの抵抗感)

読書感想文に対する抵抗感の正体は

  1. 時間がかかってしまう
  2. 文章量が多くて何を書いたらいいかわからない
  3. 頑張って書いたのにまとまりの無い文章になってしまったことがある

という3つによるものです。
これからこの3つの抵抗感を解決して、『読書感想文=難しい』から、『読書感想文=簡単』に変えていきましょう!!

抵抗感を無くすために

読書感想文で使う本と「読書感想文書き方シート」があれば、その穴うめをするだけで読書感想文が完成します!
つまり「読書感想文書き方シート」は

  1. 時間がかからない
  2. 穴埋めをするだけなので、書くことがすらすら出てくる
  3. 穴埋めしたものを原稿用紙に清書すれば読書感想文が終わる
という、という画期的なシートです!
早速「読書感想文書き方シート」を使った書き方を見ていきましょう!

書き方1: 読書感想文のための、本を読むときのコツ

「どこの部分を書こうかな」と何回も本を読み返すのは時間がかかって大変ですし、抵抗感①「時間がかかる」が生まれてしまいます。
何度も本を読み返すことを防ぐためのコツは、初めて読んだときに気になった箇所に付箋を貼っておくことです!
付箋のところのみ読み返せば、時間が短縮できますね!

付箋を貼る目安

物語の中で、何かしら気になった事件のあったところに付箋を貼っておきましょう。
枚数の目安は以下の通りです。

小学1・2年生 2枚(本の前半に1枚、後半に1枚)
小学3〜6年生 3枚(本のページ数を3分割し、最初に1枚、真ん中に1枚、最後に1枚)
中学生・高校生 4枚(本のページ数を4分割し、それぞれ1枚ずつ)

小学1・2年生は800字以内、小学3〜6年生は1200字以内、中高生は2000字以内で読書感想文を書きます。したがって各学年の指定文字数に合わせて付せんの枚数を設定しています。

読みながら付せんを指定枚数はり終わったら、次のコツを実践してみましょう!

書き方2:「読書感想文書き方シート」からの質問に答えよう

「物事や感想を、口では説明できるものの文として表すのが苦手だ」という人が多くいます。
これは、書くという行為に抵抗感があったり書いた場合の表し方がわからないということが起因となっています。
「読書感想文書き方シート」を穴うめするときは、問いかけをすることからスタートします。

読書感想文書き方シート」からの質問に答えよう


例えば

  • 親:この本には誰が出てきたの?
  • 子:●●という男の人
  • 親:じゃあ「書き方シート」のここに、●●って書こうね!

というようにして、親御さんに口頭で問いかけてもらって、対話形式で穴埋めをするとスムーズですね。

勿論生徒さん1人でもカッコに書かれた内容を自分自身で問いかけることで、穴うめが簡単にできます。
例えば

子:この本には誰が出てきたっけ、、●●だ!じゃあ●●って書こう!

というようなイメージです。

穴うめをする際、全て問いかけ形式で進めていってください。

書き方3:読書感想文の構成と段落ごとの内容

読書感想文の構成の代表的な例

  1. この本を読むことになったきっかけ
  2. 本のあらすじ
  3. 気になった箇所とそれぞれについての感想や体験談
  4. 読む前と読んだ後の気持ちの変化
  5. 今後に向けた抱負

読書感想文の書き方シートでは、以上の構成を元にして5〜8段落に分けています。

各段落は色分けしてあります。
小学二年生のシートの書き込み例を見ながら、各段落の内容と注意点を説明していきます。

第一段落 「なんでこの本を読みたいと思ったの?」

なんでこの本を読みたいと思ったの?

第一段落では、あなた(読書感想文を書く生徒さん)のことを正直に教えてください!
「普段読書はしないけど、読書していることにしよう、、」などとウソを書く必要は全くありません!!

第二段落 あらすじ「どんなお話なの?」

どんなお話なの?

第二段落ではあらすじを書きます。
あらすじを書くコツは、取材をすることです。
取材の内容は

  • 誰(主人公)は何(小学生でお手伝いをよくする、など主人公の状況)をしているのか
  • 原因(なんで「事件」を起こしたのか)と事件(何をしたのか、大まかに書きましょう)の内容
  • 事件の結末(最終的に主人公はどうなったのか)

の3つです!!

自分が探偵になった気分で楽しく取材してみてくださいね!

第三段落以降 出来事「気になったところはどこ?」

ここの段落では、先ほどの付せんを貼ったところについて書いていきます。

はじめに気になったのはどこ?

次に気になったのはどこ?

次に気になったのはどこ?2

小学1・2年生 第三、四段落 「気になったところはどこ?」
小学3〜6年生 第三〜五段落 「気になったところはどこ?」
中学生・高校生 第三〜六段落 「気になったところはどこ?」

学年により段落数は違いますが、最初に付せんを貼った箇所を順番に書いていけば「出来事」は完了します!

「出来事」のコツは第二段落と同じく、付箋をはったシーンに応じて取材をすることです。
時間又は場所が変わればシーンも変わるので、どちらかが変わるまで取材をしましょう!!
取材内容は、分かり次第「読書感想文書き方シート」に書くと良いですね!

また、各学年で最後に付せんを貼った箇所では、あなたの体験を教えてください。
その際、主人公が体験した出来事と似た体験を書いてください。
もしも似たような体験が無ければ見聞きした話でもいいですが、自分の感想も加えて書くようにしてください。

第七段落 「読む前と読んだ後の気持ちの変化」

※ 中高生のみ該当します。小学生の方は第七段落の記載はありませんので「最終段落」の欄を見てください。

読む前に本に持っていた印象と読んだ後の印象の変化を書きます。
読む前→マイナスのこと(例:悲しい話だと想像していた)
読んだ後→プラスのこと(例:悲しい箇所もあったが家族の大切さがわかった)

というように対比させられると書きやすいです。

最終段落「本を読み終わってわかったこと」

本を読み終わってわかったこと

小学1・2年生 第五段落
小学3〜6年生 第六段落
中学生・高校生 第八段落

最初に、読み終わって気づいたこと.学んだこと.感じたことのどれかを書きます。
次に、「自分(生徒さん)はこれからこうしていく!」という今後の抱負を、先程の気づいたこと等と絡めて書きます。

【仕上げ】原稿用紙にていねいに書き写しましょう

あとは原稿用紙に丁寧に書いていくだけなのですが・・・

清書の前に!小学生の注意すべき仮名遣い

小学生さん(特に低学年)で注意したいことは、仮名遣いです。
まだ習っていない漢字が多いと自然とひらがなが多くなりますが、間違えやすい仮名遣いのものがあります。

代表的なものが次の3つです。

×『とう』 → ◯ 『とう』
例文:「すらぷり」というプリントで勉強しました。
×『少しつ』 → ◯『少しつ』
×『食べらい』→ ◯『食べらい』

その他、小学校2年生さん以上は漢字で書くべきものも含めて画像にまとめたので、お子様と見直ししてみてください。

小学生の注意すべき仮名遣い

あとは書き写すだけです!

原稿用紙に「書き方シート」の

  • 黒字の部分
  • 記入した部分

をそのまま書きましょう!
氏名等の書き忘れや段落の変え忘れに注意!

原稿用紙

原稿用紙2

これで完成です!!

学年別! ワンランクアップする読書感想文の書き方

【小学校高学年】慣用句や諺を使ってみよう

慣用句も諺も一種の比喩表現です。
比喩というのは何かを何かに例えることです。
つまり実体験と慣用句や諺の共通点を探して、それを書くことができます。
例えば

  • 失くしていたと思っていた眼鏡が実は洗面台という身近なところにあった 灯台下暗し(諺: 答えや肝心なことは意外と自分の身近にあってわかりにくいという意味)
  • 授業中にうたた寝をしてしまい、寝ぼけて先生のことを「お母さん」と呼んでしまって恥ずかしい思いをした 顔から火が出る(慣用句:恥ずかしさの余り顔が真っ赤になることや、あまりに恥ずかしくて顔が熱く感じることなどを例えた表現)

以上のように、身近なことを諺や慣用句に例えてみましょう。
そうすることで慣用句や諺の知識が広がると共に、読書感想文だけでなく今後の作文(入試等)にも生きてきます。

【中学生・高校生】自分の体験談だけでなく、ニュースや偉人に目を向けよう

小学校高学年向けで示したように、慣用句は諺はもちろん盛り込んでいきましょう。
さらにレベルアップを目指すなら、自分の体験談だけでなくニュースや歴史上の偉人の話を絡めていきましょう。
そんなに難しいことではなく、登場人物の体験とニュースや歴史上の偉人との共通点を見つけられたらそのことを書けます!
例えば

  • 登場人物の体験:幼少期貧しかったが、一生懸命勉強をした結果良い学校.就職先に恵まれて、実家の建て直しをした
  • ニュース:オリンピックで金メダルをとったこともある羽生結弦選手が2011年からの振付を動画公開し、自粛生活に徒労する人々に勇気を与えた。彼は幼少期に受けた先生の指導を厳しいと感じ「スケートを辞めたい」と泣いたこともあった。しかし、青年期に練習の大切さを感じ、改めて日々の練習に真摯に向き合った。
  • 偉人:発明王として知られるトーマス・エジソンは、電球の発明に1000度失敗した。成功の後、記者から「1000回失敗したという気持ちはどういうものですか」と尋ねられ、「1000度の失敗をしたわけではない、1000のステップを経て電球が発明されたのだ」と答えた。
  • 共通点:苦労した経験があるものの、努力して成功を収めた

このように、登場人物と自分の知っているニュースや偉人の話との共通点を見つけることで簡単に読書感想文に取り入れていくことができ、実際の社会の出来事などとリンクさせていくことができるので内容に深みがでてきます。

最後に:読書感想文が今後に与える影響

読書感想文というと、時間がかかったり書き方や書く内容がわからないという抵抗感を持っている子が多いと思います。
しかし今回『読書感想文書き方シート』を使って抵抗感が解消されると、今後に良い影響を与えます。

中学生であれば今後待ち受ける高校入試で作文を、高校生であれば大学入試で小論文を書く機会が出てきます。
その時に「あんなに長くて大変だった読書感想文を自分で書けたぞ!」という自信を持って抵抗感無く取り組めるようになれば、読書感想文よりも文字数の少ない作文や小論文は尚更挑みやすくなります。特に中学生さんの作文への取り組みは劇的に変化していきます。

ぜひ作文へのニガテ克服のためにも読書感想文シートを活用してください!
生徒さんが自力で読書感想文を完成させて自信をつけていただけたら幸いです。